日が傾いてから、少し遠い道を歩く
朝に測った体重は67.5kgだった。今日は外へ出る用事を夕方にまとめ、日が傾いてから歩いた。昼間は窓の外が明るいだけで暑さを感じ、歩く気分になれなかった。以前なら、予定した時間に出られなかった時点でそのまま過ごしていたかもしれない。今日は行き先を変えず、出発する時刻だけを後ろへずらしてみた。
一食目は、ごはんと納豆、豆腐を入れたみそ汁。鍋を火にかける時間が長くならないよう、具は小さめに切った。暑い日も食事の回数は基本的に二回だが、作るのが面倒になる前に、何を食べるかだけ決めておく。食卓へ運ぶ物を先に出しておくと、最後に台所で迷わず済む。食べ終えた時には、午後に何をするか考える余裕があった。
出かける前、歩く道を少しだけ変えることにした。普段は店まで最短の道を行くが、今日は途中に日陰のある道を選ぶ。遠くへ行く予定ではなく、同じ用事へ向かう選び方を変えただけだ。玄関に置いた靴を見て、歩きやすいほうを履いた。普段使っている物でも、急がず選ぶと出発の感じが違う。持ち物を増やさずに済むよう、買い物メモは短くした。
外に出ると、昼間の熱がまだ道路に残っていた。涼しいとまでは言えないが、日差しを直接受けない場所では歩きやすい。道沿いの植え込みから風が動くところと、建物の間で空気が止まるところがある。急ぐ時には気づかなかった違いだった。歩数の数字を見続ける代わりに、次はどちらの道へ入るかを考えながら進んだ。歩く時間が少し短く感じた。
途中で立ち止まった時、足取りを速くしすぎていたことに気づいた。運動らしくしようとすると、必要以上に急いでしまう。今日は店へ着ければよいので、歩く速さを落とした。誰かの決めた歩き方を再現するより、帰宅したあと普通に食事を作れるくらいにしておく。散歩だけで一日を使うわけではない。買い物袋を持った帰り道のことも考えて、短い道へ戻った。
店では豆腐と野菜を買った。歩いた分だけ何か特別な物を食べようという気分にはならず、夕食に使う分を選んだ。冷蔵庫にツナが残っているので、新しくおかずになる食品は増やさない。袋が軽いと歩きやすく、帰りに急ぐ理由も少ない。いつも通る道でも、用事と食事の見通しがついているだけで落ち着く。帰宅後は先に買った物をしまった。
水を飲んで少し休んでから、キャベツとツナの皿を作った。今日は温めたキャベツを少し冷ましてから合わせたので、台所の熱が落ち着く間にほかの準備を進められた。ごはんをよそい、みそ汁を添える。歩いた後だからと量を計算し直さず、食べ始めの空腹を見て普通に食べた。食事が終わったあと、まだ何か足したい感じはなかった。
食器を洗いながら、今日歩いた道を頭の中でたどった。最短の道ではないが、日陰が多い場所が分かったので、別の日にも使えそうだ。体重を減らすための予定として考えると、できた距離の評価ばかりになりやすい。自分には、道を一つ覚えたことのほうが具体的な収穫だった。今まで行かなかった角の先が、見慣れた店へつながっていたのも少し面白かった。
夜の記録には、出発と帰宅の時刻をおおよそ書いた。長い時間歩いたような気もしたが、実際には買い物を含めた短い外出だった。疲れすぎずに夕食を用意できたので、今日はこの程度でよかったと思う。毎回距離を伸ばす必要はなく、暑い日は短くしてもよい。日記を見た未来の自分が、無理をした日と勘違いしないよう、「途中でゆっくり歩いた」とも残した。
窓を少し開けると、外からまだ熱のある空気が入ってきた。明日も同じ時刻が歩きやすいかは分からないので、天気と予定を見て決める。靴は玄関で乾かし、買い物袋はたたんで戻した。今日の一日は、数字より道の記憶がはっきり残っている。出かける時刻を変えるだけで、いつもの用事の中に歩く余地ができた。

