暑い夜、豆腐を一皿にして座る
朝の体重は67.6kg。今月初めと近い数字だった。今日は夜になっても台所が暑く、調理を始めるまで少し腰が重かった。何も作りたくないというほどではなく、鍋をいくつも出したくない感じだった。冷蔵庫を見ると豆腐とキャベツがある。温かい料理を全部そろえることにはこだわらず、火を使う時間を短くして、一食を形にすることにした。
一食目には、納豆ごはんとみそ汁を食べた。昼間のうちから食欲が大きかったわけではないが、食べ始めると普通に箸が進んだ。準備の前に「暑いから食べられない」と決めてしまう日もあるので、今日は実際に食卓に出してから様子を見た。急いで全部を食べるのではなく、まず座ってひと口食べる。食欲の印象と、食べている時の感覚が違うことも記録しておく。
午後には少しだけ冷蔵庫の整理をした。奥へ押し込んだ容器を手前に出すと、何が残っているか分かりやすい。暑い時期は、夕食前に長く扉を開けたまま考えるのも落ち着かない。中身の見える位置を決め、使う物を出したらいったん閉める。小さなことだが、食事の準備の途中に迷う回数が減る。今日は豆腐を使うと先に決めたので、夜の一皿が見えていた。
豆腐は器に移してから、表面にたまった水を切った。ねぎを刻んで添え、味付けは食べる直前に少しずつ。いつもはみそ汁の中に入れることが多いが、今日は冷たいまま一皿にした。材料は同じでも、温度が違うと食べ始めの感じが変わる。凝った料理を作らなくても、今日はこれが食べやすそうだと思えた。器も浅いものを選んだので、食卓で場所を取りすぎなかった。
キャベツは火を通し、少し冷ましてからツナと合わせた。切る前には面倒に感じたが、包丁を持つと作業はそれほど長くない。暑さで嫌になっていたのは、料理そのものより、これからいくつも工程があると思うことだったのかもしれない。今日は切る、温める、合わせるところまでと決めていた。何か足さないと物足りない気もしたが、まずはできた皿を食卓へ運んだ。
ごはんを温めて、二つの皿と一緒に並べた。汁物は今日は作らず、一食目に食べた分を日記へ残しておく。毎食同じ形をそろえる必要はない。食事が基本的に二回なので、それぞれを落ち着いて食べられることのほうを考える。冷たい豆腐と温かいごはんを交互に食べると、台所で想像していたより食事らしい感じがした。食べ終えるまで追加の調理はしなかった。
途中で飲み物を取りに立った時、いつもなら流しの横で何かつまんでいた場面だと気づいた。今日は皿が食卓にそろっているので、そのまま席へ戻った。食べている途中に台所の残りを片づけ始めると、一食の量が自分でも分からなくなる。片づけはあとに回し、先に食事を終える。暑い夜でも、順番まで急いで崩さなくてよかった。
食後は鍋が一つしかなく、洗い物も短かった。調理の手間を減らすと食事が雑になると思っていたが、今日は逆に座って食べる余裕ができた。全部を簡単にしようとするより、火を使う料理を一つ減らすくらいが自分には合うのかもしれない。涼しくなったらまた温かい汁物を作ればよい。季節に合わせて変えた一日として、献立の横に短く書いておいた。
夜に少し外へ出ることも考えたが、窓の外の空気はまだ重かった。今日は家の中の片づけを済ませ、歩く用事は明日に回す。動けなかった日を埋め合わせようとして予定を足すと、寝る時刻まで遅くなりそうだ。せめて食器を乾かして元へ戻し、明日の一食目に使う物だけ確認した。台所に残りの作業が少ないと、夜の時間がいつもより静かに感じられた。
体重は少し行き来しているが、今日の記録には冷たい豆腐の一皿が残った。食材を大きく変えずに、暑い日でも用意できる形を一つ見つけたことになる。次も同じ献立にするとは限らないが、作る前に面倒になった時の選択肢にはなる。冷蔵庫の扉を閉め、浅い器の置き場所を確認してから、台所の明かりを消した。
