歩数の比較をやめて道を覚える
朝の体重は63.0kg。数字はゆっくり下がっているが、今日は体重より歩数アプリの使い方を変えたことを書いておく。画面を開くたびに、前の日との差を確かめるのが癖になっていた。少ない日を見つけると、用事が終わっていても外へ出たくなる。歩くこと自体は嫌いではないのに、足りない分を埋める作業のようになっているのが気になっていた。
今日は家を出る前に歩数を見なかった。少し先の店で買い物をする用事があったので、道を一本変えて歩いた。日陰が長く続く場所と、横断歩道まで遠回りになる場所がわかった。数字だけを見ていたら、どちらも同じ歩数として終わっていたと思う。次に出かけるときに思い出せる道が一つ増えた。生活で使える発見としては、こちらのほうが具体的だった。
帰宅して一食目を作った。ごはん、納豆、豆腐入りのみそ汁に、買ってきたきゅうりを少し添えた。歩いたから量を変えるといった計算はしなかった。そういう帳尻合わせを始めると、食べることと動くことが互いの埋め合わせになりやすい。今日は出かける用事があり、帰ったら食事をした。その順番を、そのまま記録できれば十分だと考えている。
暑い時間を避けて動くと、食事の支度も少しずつずれる。以前は決めた時間に食べないと崩れた感じがしていたが、一日二食という土台があれば、多少の前後は自分で扱える。今日は一食目が遅めだったので、午後はお茶を飲んで過ごした。間食をしなかったことを成果には数えない。予定が詰まっていなかったので、台所へ向かわずに済んだ面もある。
机の引き出しから、以前使っていた歩数メモが出てきた。毎日目標を丸で囲み、達成したかどうかだけ書いている。その頃なりに真面目だったのだと思う。ただ、雨の日も疲れていた日も、丸と空欄では違いが残らない。今の記録には、買い物の帰り道、階段を使った、今日は外へ出なかった、と短く書く。読み返したときに一日の形が思い出せるほうがいい。
帰り道に、近所でも普段は通らない場所があることに気づいた。曲がる場所を一つ変えただけで、店までの眺めが違う。毎回新しい道を探すつもりはないが、どちらを通るか選べると歩く時間も単調になりにくい。今日の道は帰りに日が当たる部分が長かったので、次は反対側を試してもよさそうだ。画面の上では残らないことを、紙に短く書いておいた。
夕食はキャベツとツナを合わせ、ごはんと冷ややっこを並べた。昼に少し残ったきゅうりも使い切った。食卓がいつもと似ていることに、今日は退屈さを感じなかった。外へ出て、道を選び、食材を買って帰るところまでは変化があった。料理にまで毎回新しさを求めなくても、一日の中には十分違うことが起きている。慣れた食事がその後を受け止めてくれる。
食べ終えてからアプリを開くと、以前の目標には届いていなかった。それでも今日は、気になって追加で歩くほどではなかった。出先で少し休み、荷物を持って帰ってきた感覚が残っていたからだと思う。運動の細かな評価をするつもりはないが、画面に出ない時間も一日の中にある。数だけで採点しない練習としては、今日の使い方がちょうどよかった。
明日も同じ道を歩くとは決めていない。近い店で済むなら近い店へ行くし、出かけない日もある。続けることを考えると、毎日同じ条件を用意するのは難しい。決まった数に近づけるより、行き先に合わせて選べる道を持っておく。そのほうが普段の買い物にも役立つ。帰り道で見つけた小さな日陰は、次に荷物が重いときに使うつもりだ。
夜のメモには、体重と献立のあとに道順を一行書いた。遠回りした距離より、歩きやすかった曲がり角が思い出せる。アプリをやめるのではなく、開く順番を後ろへ移しただけだが、今日はそれで十分だった。何かを続けるには、道具との距離も時々直したほうがよいらしい。明日の数字を先に気にせず、今日は歩いて帰ってきたところで記録を終える。
